3月21日午前9時過ぎ、私たち二人の瀬変わりを終え、ブラックカイザーは走り去って行きました。
瀬変わりして来た釣り場の正面には 女島灯台 や、
男女群島を象徴する柱状節理の 針古瀬 一帯の釣り場が右前方にのぞめ、
女島と反対の方向には 「沖の赤瀬」 が不敵に横たわっていました。
そう、私たちは 「下の赤瀬」 に瀬変わりして来たのです。
私も平野さんも「沖の赤瀬」から竿を出したことはありましたが、「下の赤瀬」から竿を出すのは今回が初めてです。
男女群島の解説本によれば、下の赤瀬は西や北の鼻などと釣り場も広く、ポイントを自由に移動出来るので潮流によって釣り場を選定していただきたいとありましたが、代表的な釣り座は の「下の赤瀬ビョーブ」と、
の「下の赤瀬南の鼻」でしょう。
午前9時35分、「下の赤瀬ビョーブ」で回収を待っていた二人の底物釣り師の所へ前田船長のブラックヘラクレスがやって来ました。
その時、ポーター役で乗船していた相川さんがホースヘッドの上から、
『橋本さん、此処はサメがおったとばって 』
と大声で話しかけてきました。
妙に気になったこの言葉。
2年前にカイザーで渡った目の前の「針古島」での出来事が脳裏を過ぎりましたが、今までの貧果を挽回すべく昼釣りタックルで釣りを始めたのでありました。
先ずは二人して、「下の赤瀬ビョーブ」の釣り座から「沖の赤瀬」との水道に仕掛けを振り込み、潮に乗せて流します。
しかぁ~し、大潮と言うのに潮の切れが今一つパッとしません。
と言うことはつまり、口太の食いさえ今一でありまして、ましてや日中の60アップの尾長などとてもとてもです。
ここでも『名礁も潮が動かなければただの岩』だったのでありましたが、
それでもあの手この手を繰り出し、ポツリポツリと口太を拾っていく平野さん。
流石は男女群島に燃える釣り師、その情熱とファイトに頭が下がりましたです。
そんな時、掛けた瞬間に一気に80mほど突っ走るアタリに襲われました。
そのスピードとパワーは表現し難く、一瞬、昔のヒラマサとのやり取りを思い出しました。
青物であろうけれども猛烈なスピードで泳ぎまくる正体不明の獲物はドラッグを逆転させ、物過ぎ勢いで遠慮なしにスプールからラインを引きずり出していきます。
「沖の赤瀬」から延びている沈み瀬でラインが擦れているのでしょう、その感触が穂先に伝わってきます。
しかし、正体を見極めるまでは諦める訳には参りません。
私も真剣モードに突入でした。
「下の赤瀬」 の西の方に移動しながら必至の攻防を繰り返し、10分ほど経過したのでしょうか、瀬擦れでザラザラになった4号ラインとハリスで平野さんが差し出してくれたタモで取り込んだのは、65センチ、4.02キロの スマカツオ だったのであります。
やがて下げの潮が動き出し、良型の尾長が食って来そうな抜群の雰囲気になってきました。
「下の赤瀬の南の鼻」に釣り座を移動して本流を狙う平野さん。
何としてでも数を伸ばそうと根性でマキエを打ち、仕掛けを振り込みます。
んっ
何故か鍋が
やがて再び潮止まり。
思った以上に数が伸びない上にサイズが小さいのと、動かぬ潮に苦戦を強いられ、後ろ姿にも心なしか寂しさが漂います。
満月に照らされた二晩目の夜釣り。
相川さんが言った妙に気になる言葉が、まさか現実のものになろうとは。
50センチくらいまでの獲物ならば強引に巻いて寄せ、一気にブリ上げることが出来ますが、それを超えるといくら夜釣りタックルでも強引に寄せてブリ上げるのは困難です。
夜釣り開始から数投目でした。
今回の最大サイズであろう尾長を食わせたのは。
何度かの締め込みをかわして足元まで寄せたその時、『サメじゃ、サメ 』平野さんの叫び声と同時に獲物をガバッと銜え、間髪いれずに尾びれを反転させて一気に沖に走りました。
8号ラインは瞬時に飛ばされ、電気ウキごと持っていかれてしまったのであります。
昼間見えていた、優に2mを超える、下手すれば3mもありそうなサメ、こいつの仕業でした。
その後平野さんもサメの襲撃を受け、釣りどころではありません。
夜が明けると、今度は1m位の別のサメからクロを略奪され、これで万事休すです。
時雨れに霞む「沖の赤瀬」を見ながら納竿。
釣り場のオキアミを洗い流すなどの後片付けを終え、
虚しく回収の船を待ったのでありました。
瀬変わりして来た釣り場の正面には 女島灯台 や、
男女群島を象徴する柱状節理の 針古瀬 一帯の釣り場が右前方にのぞめ、
女島と反対の方向には 「沖の赤瀬」 が不敵に横たわっていました。
そう、私たちは 「下の赤瀬」 に瀬変わりして来たのです。
私も平野さんも「沖の赤瀬」から竿を出したことはありましたが、「下の赤瀬」から竿を出すのは今回が初めてです。
男女群島の解説本によれば、下の赤瀬は西や北の鼻などと釣り場も広く、ポイントを自由に移動出来るので潮流によって釣り場を選定していただきたいとありましたが、代表的な釣り座は の「下の赤瀬ビョーブ」と、
の「下の赤瀬南の鼻」でしょう。
午前9時35分、「下の赤瀬ビョーブ」で回収を待っていた二人の底物釣り師の所へ前田船長のブラックヘラクレスがやって来ました。
その時、ポーター役で乗船していた相川さんがホースヘッドの上から、
『橋本さん、此処はサメがおったとばって 』
と大声で話しかけてきました。
妙に気になったこの言葉。
2年前にカイザーで渡った目の前の「針古島」での出来事が脳裏を過ぎりましたが、今までの貧果を挽回すべく昼釣りタックルで釣りを始めたのでありました。
先ずは二人して、「下の赤瀬ビョーブ」の釣り座から「沖の赤瀬」との水道に仕掛けを振り込み、潮に乗せて流します。
しかぁ~し、大潮と言うのに潮の切れが今一つパッとしません。
と言うことはつまり、口太の食いさえ今一でありまして、ましてや日中の60アップの尾長などとてもとてもです。
ここでも『名礁も潮が動かなければただの岩』だったのでありましたが、
それでもあの手この手を繰り出し、ポツリポツリと口太を拾っていく平野さん。
流石は男女群島に燃える釣り師、その情熱とファイトに頭が下がりましたです。
そんな時、掛けた瞬間に一気に80mほど突っ走るアタリに襲われました。
そのスピードとパワーは表現し難く、一瞬、昔のヒラマサとのやり取りを思い出しました。
青物であろうけれども猛烈なスピードで泳ぎまくる正体不明の獲物はドラッグを逆転させ、物過ぎ勢いで遠慮なしにスプールからラインを引きずり出していきます。
「沖の赤瀬」から延びている沈み瀬でラインが擦れているのでしょう、その感触が穂先に伝わってきます。
しかし、正体を見極めるまでは諦める訳には参りません。
私も真剣モードに突入でした。
「下の赤瀬」 の西の方に移動しながら必至の攻防を繰り返し、10分ほど経過したのでしょうか、瀬擦れでザラザラになった4号ラインとハリスで平野さんが差し出してくれたタモで取り込んだのは、65センチ、4.02キロの スマカツオ だったのであります。
やがて下げの潮が動き出し、良型の尾長が食って来そうな抜群の雰囲気になってきました。
「下の赤瀬の南の鼻」に釣り座を移動して本流を狙う平野さん。
何としてでも数を伸ばそうと根性でマキエを打ち、仕掛けを振り込みます。
んっ
何故か鍋が
やがて再び潮止まり。
思った以上に数が伸びない上にサイズが小さいのと、動かぬ潮に苦戦を強いられ、後ろ姿にも心なしか寂しさが漂います。
満月に照らされた二晩目の夜釣り。
相川さんが言った妙に気になる言葉が、まさか現実のものになろうとは。
50センチくらいまでの獲物ならば強引に巻いて寄せ、一気にブリ上げることが出来ますが、それを超えるといくら夜釣りタックルでも強引に寄せてブリ上げるのは困難です。
夜釣り開始から数投目でした。
今回の最大サイズであろう尾長を食わせたのは。
何度かの締め込みをかわして足元まで寄せたその時、『サメじゃ、サメ 』平野さんの叫び声と同時に獲物をガバッと銜え、間髪いれずに尾びれを反転させて一気に沖に走りました。
8号ラインは瞬時に飛ばされ、電気ウキごと持っていかれてしまったのであります。
昼間見えていた、優に2mを超える、下手すれば3mもありそうなサメ、こいつの仕業でした。
その後平野さんもサメの襲撃を受け、釣りどころではありません。
夜が明けると、今度は1m位の別のサメからクロを略奪され、これで万事休すです。
時雨れに霞む「沖の赤瀬」を見ながら納竿。
釣り場のオキアミを洗い流すなどの後片付けを終え、
虚しく回収の船を待ったのでありました。
最終更新日 : 2020-10-01